2013年5月28日火曜日

すごすぎて泣ける! 「アジアトレンドマップ」

【All About News Dig】連動エントリー
「クール・ジャパン」。どうしてそんなに躍起になっているんでしょうか。「勝算があったとしても、株式などの投資は余剰金でやるものだ」と昭和一桁生まれの両親にくどくどと教えられた身としては、不思議でなりません。なんで国が出張ってくるんでしょう。

例えば3月の日経さんにはこんな記事が出ました。

現在の「クール・ジャパン」は「成長戦略」の一翼を担う、国家レベルのビジネス構想です。2009年にその構想自体が頓挫した「国立メディア芸術総合センター(仮称)構想」とはわけが違います。メディア芸術総合センター(仮称)は「文化の拠点」という側面も打ち出していたというか、実際の評価としてはその部分が大きかった。ビジネスと関わりはありつつも、まず「文化」の拠点を整備しようという話でした。実際の投資効果はさておき、文脈としては理解できます。

「わが社宅に格差問題などありません!」というウソ

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そういえば、小学校の頃まで僕の実家は3DKの社宅でした。社宅があったのは、JR中央線の吉祥寺駅から徒歩4~5分くらいのところ。塀を乗り越えると、そこは井の頭公園という好立地でした。

いまほどではないとはいえ、当時から吉祥寺の住人はやっぱりブルジョワジーで、同級生には小学生でも名前を知っているような会社社長の子女が結構いた気がします。普通の公立小学校でも、そこはやはり土地柄ということなんでしょう。そちらの印象が強かったせいか、社宅内での格差があったのかどうか、まったく記憶に残っていません。

さてどうしてこういう話をしているかというと、先日、NEWSポストセブンでこんなバカバカしい記事があったからです……。

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2013年5月20日月曜日

バブル女子はすべからくおニャン子であるという暴論

【All About News Dig】連動エントリー

僕は特に男尊女卑的思想の持ち主ではありません。本当に本当に本当です。「給食系男子」なんてユニットで活動したり、「フードアクティビスト」とかいうビミョーな肩書きで歯を食いしばってみたりもするので、食事くらいはフツーに作ります。掃除、洗濯も得意ではありませんが、週末にヒーヒー言いながら片付けています。

先般日経ビジネスオンラインでこんな見出しを見かけました。
「出世して、子どもも産め!」。働き方強要社会に疲弊する女性たち。

この「「働き方強要社会」に疲弊」という言い方が、僕はどうにも好きになれません。だってここでやり玉に上げられているのは、「出世志向の女性を応援するよ! 育児環境も整えるよ!」という施策です。

なんて素晴らしいんでしょうか。日本に暮らす僕らは生き方や働き方を選ぶことができます。それだけでも幸せだと思うのですが、さらに生き方の選択肢が増えるとは、素晴らしすぎます。やー、この国に暮らしていて、本当にて……

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2013年5月19日日曜日

人類の退化と「所有なきシェア」の謎

【All About News Dig】連動エントリー

人類は退化しています。かつてないほど豊かになり、「多様化」を社会が過剰に認めてしまい、生きる上で必要な力を外部に丸投げしすぎてしまいました。クラウドもシェアも便利ですが、生きていくのに最低限の知力、体力、善意はどう考えても個人所有すべきです。

誤解のないように申し上げておきます。人それぞれ生き方が「多様」であることに何ら異論はありません。むしろ大歓迎です。

しかし協調性なし、努力の方向性が明らかに間違っている、享受しかしてないのに自分では他人や社会に貢献したつもりになっている、などの困った人もいます。そういう人に限って、社会や周囲に対して「仕組みが悪い!」とか、置かれた環境に「不当だ!」とがなりたてています。遠巻きに見ていても、げんなりしてしまいます。

話を変えます。ご存じの方も多いでしょうが、「マズローの欲求段階説」という……
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2013年5月14日火曜日

「絶滅の危機」に踊らされるその前に

最近ソーシャルメディア上で、うなぎ関連の話題がにぎやかです。「漁獲量が激減してる!」「禁漁だ!」というコメントが、ピチピチしたイキのいい魚のように飛び跳ねています。

そういえば不漁が騒がれた去年、NEWSポストセブンにこんな記事を書きました。ざっくり申し上げると「うなぎの生態系はわからないことだらけで、謎に包まれている」という原稿で、いいうなぎのようにうまくもなければ、歯切れもよろしくありません。もっともうなぎの不漁の理由について環境省の資料(http://www.fra.affrc.go.jp/unagi/unagi_shigen.pdf )を見てもわかるように、やはり謎めいたまま。

・河川の堰やダムの建造で遡上が妨げられ、生育できなくなった。
・太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象が起きると、産卵場が本来のマリアナ諸島沖から南下し、シラスウナギが海流に乗って北上できなくなる。
・その場合、南向きのミンダナオ海流に取りこまれ死滅回遊となる。
・しかし、ここ数年その関係が明瞭ではない。
・シラスウナギ漁獲量の減少のみで、直ちにニホンウナギの資源量が一段と減少したと判断することは適当ではない。

例によってわからないことがわかったという残念なご報告ではあるものの……

2013年5月13日月曜日

テレ東の『みんな! エスパーだよ!』がすごい件

ヤバイ。2話終了時にUPしようと思って寝かしたまま、物語が佳境に入ってきてしまった。本当はちゃんと書いて、ちゃんと原稿料をもらおうと思っていたのだけれど、仕事が詰まってるので、ちゃんと書く時間がない。寝かしたまま腐らせるのも、もったいない症候群が発症してしまったので、ちょっと加筆だけして乱暴にUPします。

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テレビには「いい番組」に高確率で当たるワクがある。例えば現在、「ガリレオ」のシーズン2を放送するフジテレビの「月9」枠などがその代表格だ。「テレビを見なくなった」といわれる2000年代以降も「HERO」や「プライド」といった大ヒットドラマを生み出し、主題歌はダブルミリオン(200万枚以上)のヒット曲が何曲もある。主演も木村拓哉、香取慎吾などのSMAP勢や江口洋介、竹野内豊など絢爛豪華。近年は、王道だけでなく、サスペンス的な要素を取り入れた「大切なことはすべて君が教えてくれた」(主演:戸田恵梨香、三浦春馬)や、大泉洋をキーマンに据えて軽妙さを打ち出した「ラッキーセブン」(主演:松本潤)など、さまざまな手法を試みている。

「月9」は確かに素晴らしい。現在放送している『ガリレオ』も、福山雅治の相手役を柴咲コウから吉高由里子に変えてきた。第一期であれほどの成功をおさめたというのにかかわらず、配役を変えた。舞台裏で何があったかはわからないが、変えたこと自体、意欲的とも言える。

そしてこの数年、テレビ東京の「ドラマ24」という枠がとてもいい。『モテキ』や『勇者ヨシヒコ』シリーズを排出したいまやテレ東の看板ドラマ枠であり、今クールで放送中の『みんな! エスパーだよ!』もまた素晴らしい。『デトロイト・メタル・シティ』のヒットで知られる若杉公徳のマンガ作品が原作だが、原作を上回るデキだと言っても過言ではない。監督は園子温。「自殺サークル」や「愛のむきだし」などで数々の賞を受賞した、まさにいまノリに乗っている気鋭の映像作家だ。その面白さのツボを以下に上げておく。

ツボその1~中二臭全開の笑いとエロと共感
ドラマ版の舞台は愛知県東三河(原作は大分県野津町)にある田舎の高校という設定。そしてとにかく登場人物の男子高校生も、マキタスポーツ演じる喫茶店のマスターも、誰も彼もが中二らしい「性」にまつわる妄想を全開にしている。唯一、TEAM NACKSの安田顕のみ、性妄想とは遠い立ち位置だが、真顔で助手の女性の乳を揉みまくる。見えづらはシュールだが、乳を揉んでいることに変わりはない。

さらに夏帆と真野恵里菜に、喘ぎまくりというエロ全力投球をさせているのも素晴らしい。中二だったことがある男子誰もがあの頃を思い出し、中二に戻ることができる。「中二」を共感目線で仕上げているのだ。有名な作品しか見ていないので違っているかもしれないけど、目線が高くならないのも、この監督の作品における特徴のような気がする。

ツボその2~主題歌、エンディング曲ともに生々しい青臭さがたまらない(いい意味)
主題歌は高橋優の「(Where’s)THE SILENT MAJORITY?」
エンディングは、石崎ひゅーいの「夜間飛行」
http://www.youtube.com/watch?v=-H3BEBnz75I

最近、ドラマの主題歌がジャニーズやレコード会社ガン推しの(ように見える)アーティストばかりだったが、この二曲ともに中二っぽい青臭さが漂っている。生々しい歌声で、歌詞が青臭く、楽曲がキャッチー。つまり本来あるべきロックの姿を体現している。ちなみにエンディング(ED)のカット割りは毎回、異なっている。そういえば、『最高の離婚』のEDもそうだったが、かけなくても成立するところに手をかけるドラマには良作が多い。監督はじめスタッフの熱意があってこそ、そこまで手がかけられるのだ。

そういえば園子温は、映画『愛のむきだし』のテーマ曲にゆらゆら帝国の「空洞」を選んでいた。新興宗教をモチーフとしたこの作品が公開されたのは2009年。もうオウム報道など皆無で、前時代的とも言えるモチーフに、「空洞です」は強力にハマっていた。曲の雰囲気も1970年代の「俺たちは天使だ!」の主題歌「男達のメロディ」(SHOGUN)をどことなく彷彿とさせた。

ちなみに「男達~」の曲の構成はAメロ(兼サビ)とBメロのみ。「空洞です」に至ってはAメロ兼サビのみ。現代のポップスでは、Aメロ/Bメロ/サビ/Cメロくらいの展開があるのがふつうだ。しかし、園子温はそうした定型的な曲を選ばない。正確に言うと、結果として定型にハマる曲も選ぶこともあるのだろうが、挿入歌を選ぶときの視点が決定的に違う気がする。

2000年の『自殺サークル』では作中での暗喩のモチーフとして、小中学生をメンバーとしたアイドルグループの歌を流し、すかんちのローリー寺西の弾き語りのシーンなども盛りこんだ。「音楽」に聞き耳を立てるだけでも園子温の作品は楽しめる。しかも登場する音楽のすべてが、作品と連動している。映像作品に必要であり、必然性のある音楽をセレクトしている。


ツボその3~作品を貫く、園子温という一貫性
「人間」というとても個人的なものを社会というフィルターを通して描く。それが園子温の手法だ。2000年公開の『自殺サークル』では刑事であり、ひとりの父親を通して社会の歪みを描いた。この作品では「あなたとあなたの関係は?」という生きる上での本質的な問いかけが、全体を貫くキーワードになっていた。『自殺サークル』が「生きることの本質」を描こうとした作品なら、『みんな! エスパーだよ』には中二男子に共通する夢が詰まっている。

と、まだまだ書きたいことはあるけど、ちょっとだけ加筆してタイムアップ。放送中なので、あとは本編をご覧あれ。テレビ東京で視聴可能な方は、毎週金曜日の24時過ぎから。できれば、見逃し配信か何か利用して第一話から見てほしい。

テレビ東京『みんな! エスパーだよ!』公式HP
http://www.tv-tokyo.co.jp/esper/