2013年2月21日木曜日

鳩山家の食事に見る「庶民感覚」の正体


【All About News Dig】連動エントリー
兄は「奥さんの手料理好き」で、弟は「無類の料理好き」。鳩山家のご兄弟はそんな風に言われます。弟の鳩山邦夫衆議院議員などは、5年ほど前、週刊誌に「朝からフォアグラや天ぷらを食べるようだ」と書かれてしまいました。この話題については、のちほど詳述しますが、そんな話が喧伝されるほど、セレブリティというか、美食家のイメージが強いわけでございます。

どうしてそんなイメージがついてしまったかというと、やっぱり生まれに育ち、そしてお家柄のせいでしょうか。おふたりの祖父君は、第52、53、54代内閣総理大臣の鳩山一郎氏。父君は外務大臣をつとめた鳩山威一郎氏で、ご母堂はブリジストンの創業者、石橋正二郎氏の娘である安子さん(旧姓:石橋)。昭和の政財界のトップリーダー家系───まぎれもない国内トップクラスのセレブリティです。

先日、安子さんがお亡くなりになった際に流れたニュースの見出しもケタ違いのスケールでした。
「鳩山家ゴッドマザー安子さん死去! 生前に由起夫・邦夫兄弟に42億円ずつ贈与?」
http://www.j-cast.com/tv/2013/02/12164828.html?p=all

42億円という巨額の数字がメディアの見出しに走ると、ついついその数字ばかりを追いかけたくなるのがメディアや庶民の性。そしてわかりやすい比較軸として、その食生活にも注目が集まります。

首相時代の麻生太郎氏はホテルのバー通いで批判されましたし、同じく首相時代の鳩山由紀夫氏も、毎晩客単価1万5000円~数万円ほどのお店で夕食をとっていたことで、一部から非難を浴びました。たまに「龍圓」(西浅草)などの比較的リーズナブルなお店に行ったかと思えば、お相手は当時内閣参与だった劇作家の平田オリザ氏だったりするわけで、このあたりは平田氏の大衆芸能センスの面目躍如というところでしょうか。

ちなみにリアル庶民の食卓の数字ですが、総務省の調査では、2011年の2人以上の世帯における1ヶ月の食費は6万6904円(うち外食費が1万1038円)。2011年の平均世帯人員が2.58人ですから、1人あたりの食費は月額2万5931円。1日あたりに換算すると864円、夕食分となると恐らく400円くらいでしょうか。幅はあるものの、だいたい由紀夫サンの50分の1くらい。

一方で一人あたりの相続額では、過去に「一人あたりの平均相続額は3172万7000円」という調査がありました。鳩山家の場合、生前贈与の42億円を除いても、さらに土地家屋など含め、数百億円単位と言われ、トータルで一人あたり軽く100億円以上はあるのではと推測されています。つまり最低でも、平均の300倍以上の相続額が発生していると思われ、そう考えると庶民の50倍程度に晩飯代を抑えていたのを「庶民感覚」と仰ったり、客単価数万円の割烹を「居酒屋」と呼んだとか呼ばなかったとかいう都市伝説も納得できそうな気がしてしまうわけでございます。

ちなみに冒頭の「朝からフォアグラ」エピソード。本当は邦夫サン、朝からどころかフォアグラ自体、召し上がらないようで、件の記事が掲載された後、「フォアグラは体に悪いし、絶対食べない」、「体つきから想像するのは構わないが、まったく根も葉もない」とは言ったものの、朝に摘んだばかりのセリの天ぷらを食べることはあるのだそう。

セリは根から葉までおいしい天ぷらになる食材ということで、フォアグラはともかく天ぷらには「根」も「葉」はあるようで……という、まるで週刊誌かのようなベタなオチが、あまりにも心苦しく、読者のみなさまに対してあれこれお詫びを申し上げたくなる心持ちでございます。

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